「疑わしい取引の届出制度」について

参考情報

令和8年7月21日、本会において「企画開発部・業務専門委員会・研修委員会・電子化推進委員会」が開催され、その中で福島県検察本部組織犯罪対策課の課長補佐、警部から下記制度について説明があり、当内容を会員に周知する旨の連絡がありましたので、お知らせいたします。

疑わしい取引の届出は、犯罪収益移転防止法に基づき、取引が不自然または犯罪収益に関連すると合理的に疑われる場合に、所定の様式で主管行政庁へ届け出ることが義務付けられています。

行政書士は、特定事業者(指定非金融業者・職業専門家)に位置付けられています。

届出の対象となる取引

疑わしい取引とは、以下のような特徴を持つ取引が該当します:

  • 支払いが多額で、経済合理性に反する取引(市場価格を大きく下回る売却など)
  • 顧客が本人確認書類の提示を拒否、または偽造の疑いがある場合
  • 架空名義や借名で契約が行われる場合
  • 書類送付先が業務と関係のない場所である場合
  • 取引の目的や内容が不自然で、犯罪収益の移転に関連する可能性がある場合 国税庁

届出の方法

届出は以下の方法で行うことができます:

  1. 電子申請(e-Gov)
    • 事前に「事業者ID発行申請書」を提出し、事業者プログラムを導入
    • 届出データを作成し、e-Gov電子申請で提出 警察庁Webサイト
  2. 電磁的記録媒体(CD等)での提出
  3. 紙の届出書による提出
    • 届出様式第1号~3号に必要事項を記入し、添付資料と共に主管行政庁へ提出 警察庁Webサイト

届出書の要件

  • 届出書には必須項目を記入すること
  • 添付資料として本人確認書類や取引関連書類を可能な限り添付
  • 届出書の宛名欄には主管行政庁を記載
  • 電子申請の場合は、届出書を暗号化して提出 総務省

届出先

  • 疑わしい取引の届出は、犯罪収益移転防止法第8条に基づき、「疑わしい取引の届出先一覧」に記載された主管行政庁に行う必要があります
  • 郵送で提出する場合も、一覧の右欄に記載された担当部局宛に送付 警察庁Webサイト

注意点

  • 初めて届出を行う場合は、事前手続きが必要
  • 個別案件の届出可否や届出すべき事項は、届出先行政庁に確認することが推奨されます 警察庁Webサイト
    このように、疑わしい取引の届出は取引の性質、届出様式、提出方法、届出先の指定など複数の要件を満たす必要があります。適切な手続きを行うことで、法令遵守と犯罪収益移転防止に貢献できます。

留意点
犯罪による収益の移転防止に関する法律 ※以下、行政書士の義務となっている条文の要約
・法第4条 当該顧客等の確認を行わなければならない
・法第6条 確認記録を7年間保存しなければならない
・法第7条 取引記録簿を7年間保存しなければならない
・法第8条 疑いがあると認められる場合は、速やかに行政庁に届け出なければならない。
・法第11条 取引時確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出等の措置を的確に行うため、事項に係る情報を最新の内容に保つための措置を講ずるように努めなければならない。

守秘義務との関係もありますので、慎重なご対応をお願いいたします。

投稿_Y-kanazawa